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カミラワリエワ

ロシアのフィギュアスケーターのカミラワリエワ選手。若干15歳にして4回転ジャンプを成功させ、ものすごい勢いで成長していますよね。

 

そんなワリエワ選手ですが、2021年12月にドーピング検査を行いその結果で”陽性”が出ていることが明らかになりました。

 

しかし、普通に北京オリンピックには出場し、他の選手と競技をすることになっています。ちゃんとした国際機関がワリエワ選手の出場を認めたことに。とはいえ、ドーピングの陽性反応が出ているのになぜ?出場できるのか疑問しか湧いてきませんよね。

 

この記事では、ワリエワ選手のドーピング問題について時系列で出来事を分かりやすく解説し、なぜオリンピックに出場できるのかその理由も深堀りしてみました。

ワリエワのドーピング問題の時系列まとめ

カミラワリエワ

ワリエワ選手は、2022年2月時点で若干15歳。とんでもない若手の登場に世界は驚きました。しかし2021年の12月に行われた「ロシア選手権」でドーピング検査をした際に「陽性反応」が出たのです。

 

そして反応が出るまでの期間が約2ヶ月あり、それを待っている間にオリンピックが開催されました。時系列で出来事をまとめてみると、

ワリエワのドーピング問題の時系列
  • ワリエワがドーピング検査を受ける(2021/12/26)
  • 北京オリンピック開幕(2022/2/4)
  • フィギュアスケート団体戦(2/4~2/7)でROCが金メダル獲得
  • ワリエワのドーピング検査の結果が陽性と出る(2022/2/8)
  • フィギュア団体戦のメダル授与式が行われないことになる(2/8)
  • 女子シングルにワリエワが出場することが決定(2/14)
  • フィギュア女子シングルがスタート(2/15~)
  • ワリエワの結果はいかに?…

このようになっています。ここでポイントとなるのは、12月に行われたドーピング検査の結果が翌年の2月頭に判明していることです。

 

どうやらドーピング検査の結果が出るまでは時間がかかるらしく、理由は「調べる項目が膨大にあるから」なんだとか。これを覚えておいてください。

ワリエワのドーピング問題を分かりやすく解説!

カミラワリエワ

ワリエワのドーピング問題を更に詳しく分かりやすく解説していくと、NHKのウェブ版でこのように報道されていました。

ITAによりますと、ワリエワ選手は去年12月にロシア国内の大会に参加した際のドーピング検査の結果、WADA=世界アンチドーピング機構が禁止薬物としている「トリメタジジン」について陽性反応が出たということです。

この検査結果は今月8日に検査機関から届いたとしています。

これを受けて、ロシアアンチドーピング機構が一時的な資格停止処分としましたが、その後、ワリエワ選手側からの抗議が認められ、処分は解除されたということです。

引用元:NHK

ITAだとかWADAなど聞き慣れない機関名があるので、まずはそれを整理していきます。

ITA=国際検査機関

WADA=世界反ドーピング機関

CAS=スポーツ仲裁裁判所

IOC=国際オリンピック委員会

ROC=ロシアオリンピック委員会

ISU=国際スケート連盟

RUSADA=ロシア反ドーピング機関

これらの単語を理解した上で、ワリエワ選手がドーピング陽性になってから出場停止が解除されるまでの時系列を整理すると、

ワリエワの出場停止から解除までの時系列
  • ワリエワがドーピング陽性に(2/8)
  • 禁止薬物「トリメタジジン」が検出される
  • ワリエワが五輪出場資格停止処分を受ける
  • ワリエワが処分を不服としてRUSADAに講義する
  • ワリエワの出場停止処分がRUSADAによって解除される(2/9)
  • IOCやWADA、ISUがRUSADAの決定に不服としてCASに提訴
  • CASがISU等の提訴を却下する(2/14)

8日にフィギュア団体戦のメダル授与式が無くなって以降、9日までの間にワリエワ選手の出場資格停止処分を決定。

 

しかしオリンピック委員会を始めとする機関はこれに不服を申し立て、裁判所に判断を任せることに。そして14日にCASで正式にRUSADAの決定を支持する形になってしまいます。

 

なかなか素早い決断です、それもそのはず15日には女子シングルの競技がスタートしますからね。

禁止薬物のトリメタジジンとは?

カミラワリエワ

トリメタジジンとは一体どんな効果があるのか、簡潔にまとめました。 

トリメタジジンとは?

心臓の病気である狭心症、心筋梗塞などの治療などで使われる薬だという。血管を広げ、血流をよくしたり、血管の中で血液が固まることを防ぐ作用がある。

つまり、普通であれば病気持ちの人が服用するなわけです。

 

しかし、ロシアでは普通に薬局で買えると書かれていますし、アスリートが服用した際に見込まれる効果としては、ハードワーク後のリカバリー効果の増加だそう。

 

2月9日から14日までの間、スポーツ仲裁裁判所のCASは以下に事情聴取をしています。

  • IOC
  • WADA
  • ISU
  • RUSADA
  • ワリエワ本人
  • ROC

最終的には裁判所が「出場停止の解除」を認めた形ではありますが、RUSADA以外の機関はすべてワリエワの出場停止を求めていたんです。なんだか納得のいかない判断になったと思うのは私だけでしょうか…。

 

ワリエワが五輪に出場できる理由まとめ

カミラワリエワ

CASが発表した「ワリエワが五輪に出場できる理由」としては以下が挙げられています。

ワリエワが出場できる理由とは?
  • 16歳未満のワリエワが処分が軽減される保護対象であること
  • 五輪期間中に陽性反応を示していない選手への考慮
  • 今回出場を認めなければワリエワに取り返しのつかない損害を与えること

この3つを理由に、ワリエワの出場停止が解除されました。

16歳未満はドーピングの処分が軽減される

ワリエワは2022年2月現在は15歳。なぜ16歳未満なのか?それは、16歳未満の人間が自分の意思で故意にドーピングをするのが考えづらいから。コーチなどに知らぬまま進められるケースが多いからだと言います。

 

しかし、処分が軽減されるのは「出場停止の期間が短くなる」程度。オリンピックにはむろん出場できないとなるのが普通のようです。

五輪期間中に陽性反応を示していない選手への考慮

ワリエワ選手は他の選手と同様に、五輪期間中も同じようにドーピング検査を受けています。その検査が陰性であることから五輪への出場が認められたというのです。

 

しかし、ここで出てくるのが最初に解説したポイントです。みなさん覚えていますか?

 

ドーピングの検査結果が出るまでには時間がかか」ことです。

 

これに対するロシアオリンピック委員会(ROC)の意見は「オリンピック期間中は、ドーピング検査で陰性となっている」です。

ロシアオリンピック委員会は11日、声明を発表し、「現時点では制約なく競技に参加できる」と強調しました。

声明の中で、ロシアオリンピック委員会は「陽性反応が出たのは、去年12月25日に採取した検体で、オリンピックの期間には当たらない。オリンピックの最中ではドーピング検査で陰性となっている。CAS=スポーツ仲裁裁判所が特段の決定を下さないかぎり、現時点では、ワリエワ選手は制約なく競技やトレーニングに参加できる」と主張しました。

引用元:NHK

明らかにおかしいですよね。ドーピング検査には時間が必要なんです。大会期間中に検査をした検体が、大会期間中に結果が出るのでしょうか?

 

細かいところで納得がいかないからIOCやISUはRUSADAの決定に不服を申し立てたのではないでしょうか?

 

本当のドーピングの結果が出るのは4月頃なのでは???色々な疑問が浮かんできますが、ニュース記事によれば14日にワリエワ選手が女子シングルスに出場するのは確定みたいですし、

 

金メダルを取った後の4月にドーピングが判明してしまったらそれこそワリエワの選手生命を断つことになるのでは、と心配になってしまうほどです。

ワリエワの女子シングルス出場に世間の反応は